
デザイナーズ マンションを初めて知る方へ
「私たちの性分ではできないし、誰からもそんなことをするようには思われていない」のだ。
私たちは、時と場合によって、真実をありのままに言うのがいちばんの心づくしになることは当然知っている。
正直に言うように強制されて、ついたうそが驚くような結果を生むことがあるからだ。
だが、ポテトのケースでは、両者の関係は浅く、事態は差し迫った事態ではないので、このやり方もまた適切でない。
こういった状況では、私もいい人がやるように、小さなうそをつく実際についたのだがたとえそれが厚かましい大ボラだとしてもだ。
奥さん「ところで、マッシュポテトはいかがでしたか」私「ええ、たいへん結構でしたよ。
たいへんなごちそうでした。
私の大好物なんですよ」このやり方では、できるかぎりしらっとうそを言う。
料理してくれた相手に感謝し、気まずくさせたり、気持ちを傷つけたりしたくはない。
それに、自分を含めた出席者すべてに、いい人だと思われたいから、うそをつく。
そう、いい人のうそは自分のためでもある。
ちょっとしたうそをつくより、もっとよくないことは山とあるというふうに割り切って考えるのだ。
第一、ほかにどうすればいいかわからないのだ。
うそもいけない。
ストレートすぎてもいけないうそがばれたときには、とっさに取りつくろうものの、身がすくむ思いがする。
それでもうそをつくのは、心理的な葛藤をつくったり、人の気持ちを傷つけるよりも心の痛みが少ないし、ほかに打つべき手がわからないからだ。
悲しいことに、私たちいい人は、ほかのもっといい対処法があるなどとは、めったに思いつかない。
1960年代には、30歳以上の大人を信用するな、というのが若者たちの姿勢だった。
理由の一つは、そのころの大人は、若者に失望させられたり不満があっても口に出さない、いわゆるいい人だったためだ。
大人はつくり笑いとともに、うわべだけで実りのない関係を結ぼうとしたのだ。
うそをつこうと、ストレートに真実を言おうと、結果は失敗に終わる。
いい人は、正直が最高の方法だという決まり文句を口にしても、いざ真実を聞きたがらない人の前では、それを引っ込めて小さなうそをついてしまう。
あまり頻繁にうそを言いつづけるので、その結果が自分と相手との関係にどんな影響を及ぼすかよくわからなくなる。
心の奥では、お互いに真実を言っても大丈夫なように努力しつづけることが、くもりのない関係を築くために大切なのはわかっている。
うそをつくと、自分を充分に相手に示せないし、相手もほんとうの自分を理解できないことも承知している。
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